ご挨拶Greeting
IT技術やAIが発展してきた現代社会において、ものごとを“自分で考える”力が今、私たちに求められています。
このようなホームページにおいても、Chat GPTなどの生成AIの技術を使えばボタン一つで素晴らしく完成度の高い文章を作成してくれるという時代です。
私はまだ使ったことがありませんが、忙しく限られた時間の中で多くの仕事をこなさなければならない人々にとって大変便利なシステムだと思います。
しかしながら、そのようなシステムを使う時にさえ『自分が何を求めているのか、どのようにAIに問いかければその答えが得られるのかを考える力』つまり『思考力』が必要であると聞きます。
自らで考えない怠惰を繰り返していれば、いつの間にか周りに流され、気づいた時には取り返しのつかない事態になっている‥ということにもなりかねないことでしょう。
こうして自分の考えを文章で表現している今も、私は自分自身に問いかけています。
本来、自分の心の声に耳を傾け考えることは楽しいことです。
一つの事象に対し『こうだ』と思ったとします。
しかし、視点を変えると答えは一つではなく、何通りもの考え方ができる。
その中で、『あれでもない』『これでもない』と一つ一つ吟味し、自分自身が最も納得する答えを導き出すことこそ、私たちが存在する意義であり大切なことではないでしょうか。
時には他者に寄り添い、互いに協力して支え合うことは人として重要なことです。
しかしその際にも、まずは自分自身の信念をしっかり持った上で行動するべきではないでしょうか。
『ピアノを弾く』ということは、“自分自身と向き合うこと”であると私は考えています。
音と音をどのように繋げ、まとめていくか。
楽譜に書かれたヒントを辿りながら、作曲者がどんなことを表現したかったのか想像しながら表現を考えることは本当に楽しいです。
また答えは一つではなく、個人の捉え方でも違いが出てくる点が本当に面白く、レッスンの中で生徒が『私はこう思うんだけど‥』と生き生きと私に教えてくれた時には本当に嬉しく感じます。
しかしそうなるまでには、大抵長い年月がかかります。
ピアノの上達に焦りは禁物です。
見守る周りの大人の方々にはいつも暖かい目で、お子様の小さな成長を喜び、励ましていただきたいと思います。